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記事一覧

クリフォード・ソーントン (17) - スイスで生涯を閉じる

 75年に発売された 『ハーレムの園』 を最後にソントーンは音楽の第一線から退きます。武力闘争を辞さなかったブラック・パンサー党もこの頃には態度を軟化し地域での奉仕活動に力を入れるようになっていました。  ウィキペディアによると、ソントーンは、76年、アフリカ系アメリカ人のための教育カウンセラーとしてスイスのジュネーヴにあるユネスコ国際教育局に入りました。そして生涯をジュネーヴで過ごしました。  77年に...

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クリフォード・ソーントン (16) - 『ハーレムの園』 B面解説

B1 Chango Obari  A1同様、ナイジェリアのヨルバに起源を持つブラジル北東部の民間信仰カンドンブレの神々(精霊)オリシャのうち、雷、稲妻の神シャンゴ Xango を題材にした姉妹曲。    この曲でトランペット・ソロを任されたレオ・スミスは、後年のエレクトリック期のマイルス・デイヴィス Miles Davis みたいな感じではなく、リード奏者のアンソニー・ブラクストン Anthony Braxton らと共にAACM では最も先鋭的で現代音楽に...

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クリフォード・ソーントン (15) - 『ハーレムの園』 A面解説 

A1 Ogun Bara ブラジル北東部バイーア州を中心に伝わるアフリカ起源(おもにナイジェリアのヨルバ人)の民間信仰カンドンブレ Candomble の神々オリシャ Orixa のうち、鉄の神オグン Ogun を讃える儀礼の歌をベースにしたもの。カンドンブレ  ここでは、ブラジルのカンドンブレと同系統の、ヨルバ人がもたらしたキューバの民間信仰サンテリーア Santeria で用いられるバタ・ドラム(横置きにして左右の手で叩く両面太鼓)とリズ...

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クリフォード・ソーントン (14) - プエルトリカン・ネットワーク 『Concepts in Unity』

 今回、本作を30数年ぶりにまともに聴いてみて、何に驚いたかというと、サルサがもっとも熱かった70年代半ば、飛ぶ鳥を落とす勢いだったファニア Fania 勢の向こうを張って、よりディープにルーツを掘り下げたプロジェクト、〝グルーポ・フォルクロリコ・イ・エクスペリメンタル・ヌエバヨルキーノ〟 Grupo Folklorico y Experimental Nuevayorquino として75年に発表したアフロ・キューバン&ラテンの名盤 『コンセプツ・イン・...

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クリフォード・ソーントン (13) - 多国籍のリズム隊〝リトゥモ・アフリカーノ〟

 これに〝リトゥモ・アフリカーノ〟としてパーカッション中心の9人のリズム・セクションが加わります。内訳は、アフリカ人2、インド人1、アフリカ系アメリカ人2、ラテン系アメリカ人4です。  エイブラム・コベナ・アゼンヤ Abraham Kobena Adzenyah は、ガーナ・ダンス・アンサンブルのパーカッション奏者だった人物で、ソントーンと同じウェズリアン大学でドラミングとダンスを教えていました。ソントーンにとってアフリカ音楽...

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クリフォード・ソーントン (13) - 『ハーレムの園』の個性的なメンバーたち

 こうして、ようやく本題の 『ハーレムの園』 (The Gardens of Harlem) にたどり着くことができました。Clifford Thornton 『ハーレムの園』  おさらいしますと、本作は大航海時代以降の奴隷貿易によって世界中に散らばっていったアフリカ人たち(=ブラック・ディアスポラ)の文化を、汎アフリカ主義のもとに再結集を試みたアルバムといえます。  本作は、ウェズリアン大学の准教授としてアフロ・アメリカン音楽の講座を持っ...

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クリフォード・ソーントン (11) - シェップとの最後の共演盤 『アッティカ・ブルース』

 ソントーンがアーチー・シェップのリーダー・セッションに参加した最後のアルバムは、72年1月NY録音の傑作 『アッティカ・ブルース』 (Attica Blues) でした。Archie Shepp 『アッティカ・ブルース』  『アッティカ・ブルース』 は、シェップがパリから帰国後、最初に発表した71年録音の 『変転の時』 (Things Have Got to Change) と、72年発売の 『ザ・クライ・オブ・ザ・ピープル』 (The Cry of The People) の間に発表さ...

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クリフォード・ソーントン (10) - 集大成となった南仏アンティーブでの音楽祭

 (5) の 『Live in Antibes』 は、70年、南仏アンティーブのジュアン・レ・パン・ジャズ・フェスティバルでのライヴ。LPでは第1集と2集、02年に復刻されたCDでは2枚組で発売されました。Archie Shepp & The Full Moon Ensemble 『Live in Antibes』 67年のドナウェッシンゲン音楽フェスティヴァルでのシェップの傑作ライヴ 『ワン・フォー・ザ・トレーン』 (Life At The Donaueschingen Music Festival ) と同じく、LP両...

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プロフィール

tpokjazz

Author:tpokjazz
50歳から走り始め、月平均走行距離200〜300kmの早朝型フォアフット・ランナー。フル・ベスト3時間33分09秒。最近はウルトラ・マラソンにはまっています。介護施設の管理者のかたわら、音楽ライターとして『ミュージック・マガジン』と『レコード・コレクターズ』でワールド・ミュージックを中心に執筆。郷土史家みたいなこともやっています。