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幻のニューリズム「恋のチュンガ」ー ペレス・プラード / 小林旭 / HIS【4】

さて、ペレス・プラードの「テレシータ・ラ・チュンガ」は、トライアングルやコンガなどのパーカッションのゆったりしたリズムに乗せて、オルガンが歯切れのよいスタッカートを刻み、そこに厚みのあるブラスがかぶさり主旋律を奏でます。歌といってもシンプルな男女コーラスのリフレインがわずかに入るのみで、雰囲気はチャチャチャに近いミディアム・テンポのチャーミングなインスト曲です。ペレス・プラード楽団「テレシータ・ラ...

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幻のニューリズム「恋のチュンガ」ー ペレス・プラード / 小林旭 / HIS【3】

じつは、私は小林旭ヴァージョンより早く聞いていました。それは92年末にラテン音楽評論家の竹村淳の監修でBMGビクターから限定発売された10CD+ボーナスの豪華ボックス『ザ・マンボ・キング〜ペレス・プラード栄光の奇跡』に入っていたからです。より正確には、CDではたぶん、そのボックス・セットにしか入っていませんでした。『ザ・マンボ・キング〜ペレス・プラード栄光の奇跡』当時、私は定価19,500円もするボックス・...

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幻のニューリズム「恋のチュンガ」ー ペレス・プラード / 小林旭 / HIS【2】

バブル崩壊直後の91年7月、細野晴臣・忌野清志郎・坂本冬美、それぞれのイニシャルを取った異色のユニットHISがアルバム『日本の人』を発表しました。HIS『日本の人』坂本冬美のチャーミングなコブシ回しを生かした、昭和歌謡調、音頭調、C調でありながら、ワールド・ミュージック、ブルース、フォーク、ロック、テクノなどの要素がふんだんに盛り込まれたアクースティック系サウンドは、肩の力が抜けていて、バブルに疲れ果てた...

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幻のニューリズム「恋のチュンガ」ー ペレス・プラード / 小林旭 / HIS【1】

ペレス・プラード(Damaso Perez Prado)といえば、なんといっても「ウーッ!」のマンボですが、マンボ・ブームが一段落した58年以降もロカンボ(Rockambo)、チュンガ(Chunga)、ボンゴソン(Bongoson)、デンゲ(Dengue)といったニュー・リズムを次々と打ち出したことはあまり知られていません。 ロカンボとは、マンボとロックンロールを融合させたもので、ペレス・プラードのオルガンをフィーチャーした58年発売の「パトリシ...

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祝!アラブ歌謡の女神フェイルーズ、82歳の新作発表 - 円熟期のアルバムを聞き直す【4】

(4) 『Mich Kayen Hayk Tkoun』 1999年98年、フェイルーズは、60、70年代、彼女のホームグラウンドだったレバノンのバールベック音楽祭に25年ぶりに出演したのを機に、国内外でさかんにコンサート活動をおこなうようになります。こうして、企画盤『アッシに捧ぐ』を除けば、『Kifak Inta』以来、8年ぶりとなるスタジオ録音アルバムが発売されました。私は21世紀になってジャケ違いの再発盤を買ったので、写真はオリジナル盤とは違...

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祝!アラブ歌謡の女神フェイルーズ、82歳の新作発表 - 円熟期のアルバムを聞き直す【3】

息子ジアード・ラハバーニーがプロデュースしたフェイルーズのアルバムは、ほかにもたくさん出ています。全アルバムを紹介することは私の手に余るので、以下では私が持っている主要なCDについて紹介します。(1) 『At The Royal Festival Hall London』1989年92年にオルターポップから『ライヴ・イン・ロンドン』のタイトルで国内発売。日本語解説には83年録音とありますが実際は86年録音のようです。クレジットにはジアード作品...

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祝!アラブ歌謡の女神フェイルーズ、82歳の新作発表 - 円熟期のアルバムを聞き直す【2】

『愛しきベイルート 』Maarifti Feekジアード・ラハバーニーは、73年、17歳でフェイルーズのヒット曲をアレンジしたインストゥルメンタル・アルバムでデビューしました。なんという早熟ぶりでしょう。『A Rahabani Festival - The Instrumental Hits of Fairuz』より現在はアラブ音楽界の重鎮として、伝統音楽、ジャズ、ポップス、オペラ、映画音楽など、ジャンルをまたいで活動しています。ジアードの名まえは、89年にオルターポ...

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祝!アラブ歌謡の女神フェイルーズ、82歳の新作発表 - 円熟期のアルバムを聞き直す【1】

35年、地中海に面した中東の国レバノンの出身。49年に14歳でデビューしてから長く第一線で活躍してきたアラブ歌謡の女神フェイルーズ Fairuz 。(※)アラブ歌謡の中心地エジプトでは〝ファイルーズ〟と発音されるそうですが、レバノンでは〝フェイルーズ〟と呼ばれているのでそれに従います。この9月末に、82歳にして通算100枚目の新作『Bebalee』が(しかもブルーノートから)発売されると知り、いても立ってもいられず、この文...

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プロフィール

tpokjazz

Author:tpokjazz
50歳から走り始め、月平均走行距離200〜300kmの早朝型フォアフット・ランナー。フル・ベスト3時間33分09秒。最近はウルトラ・マラソンにはまっています。介護施設の管理者のかたわら、音楽ライターとして『ミュージック・マガジン』と『レコード・コレクターズ』でワールド・ミュージックを中心に執筆。郷土史家みたいなこともやっています。