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記事一覧

涅槃へいたる道 - 八曽自然休養林トレイルラン

暑い夏の日のトレイルラン6月18日、土曜日。午前4時に起きると、『レコード・コレクターズ』誌から依頼されていたアルゼンチンのフォークロアの巨人アタウアルパ・ユパンキの原稿を書き終えた。天気予報で日中34℃まで気温が上がると知って、暑さ対策用のウェアに着替え、スポーツ・ドリンクを1リットル補給したハイドレーション・パック付きバックパックを背負い、午前6時半過ぎ、自宅をスタートした。道の向こうに見える山を越え...

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ベタなヒロイズムを笑うな - ローリング・ストーンズ「悪魔を憐れむ歌」

シンプルでストレートなわかりやすさ以前、友人に「最近、ローリング・ストーンズを聴いている」と話したら「イメージじゃない」といわれた。たしかに、ストーンズを真剣に聴くようになったのは、じつはランニングを始めてからである。きっかけは、脚の故障で4ヶ月間走るのを休んでの復帰初戦「お伊勢さんマラソン」で、自分に活を入れるためにストーンズ・メドレーを使ったことである。ストーンズの魅力はシンプルでストレートな...

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ランとは堕落である - 水曜日のカンパネラ「ミツコ」

オタク初期世代のハートをくすぐる水曜日のカンパネラ『シネマジャック』(TSUBASA TRNW-0050)このところ、ランしながらいちばん聴いているのは、じつは水曜日のカンパネラだ。水曜日のカンパネラは、ヴォーカルのコム・アイ、作曲・編曲のケンモチヒデフミ、マネージャー兼ディレクターのDir.F (ディレクター・エフ)のヒップホップ系Jポップ・ユニット。ステージにはコム・アイ一人が立つ。ケンモチが一人で作った都会的でハイセ...

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この世で最も美しい交響曲 - 走りながら自然を聴く

たまにはイヤホンを外そう江戸の娯楽の一つに「虫聴き」というのがあった。秋になると、庶民も武士も虫の音を楽しむために夕暮れ時に外へ出かけていったのだそうだ。虫の音は西洋人には雑音と聞こえても、日本人には「虫の声」と聞こえるのは、人間と自然との対立が曖昧なせいなのかもしれない。といって、このことをもって日本人のすばらしさをあげつらう気は毛頭ないが…。GWが終わる頃には日中暑くなり、ランナーたちは早朝か...

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ランニングは巡礼である - Colin Bass 「Walking to Santiago」

3ムスタファズ3のメンバーとしてある朝、小牧山から犬山城経由で木曽川沿いの緑道をヒタヒタと走っていたとき、ふと、「ランニングって巡礼みたいだなあ」と思った。コリン・バースは、英国のプログレッシブ・ロック・バンド、キャメルのベーシスト。というより、私にとっては80年代末に現れた、バルカン半島シュグレリ村出身、年齢、国籍、経歴不明の謎の無国籍系ワールド・ミュージック・バンド、3ムスタファズ3のメンバー、...

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ランナーズ・ハイにハマる - "Africa Express presents...Terry Riley's In C Mali"

ランとミニマル・ミュージックランニングはシンプルな身体動作のくり返しである。だから、短いメロディやリズムのパターンを反復しながら少しずつずらしていくミニマル・ミュージックとは相性がいいに決まっている。ところが、実際にランニングで使ってみると意外と合わない。走り続け、疲労が貯まってくると、この有機的身体に、現代音楽にありがちな構築的で無機的な質感が重くてたまらないのだ。テリー・ライリーは、ラモンテ・...

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ランニングは音楽への感受性を高めてくれる

はじめに私がランニングを始めたのは2011年からなので、ランニング歴はこの原稿を書いている16年時点でまだ5年程度である。この間、フルマラソンだけでもすでに通算8レースに出場、いまや3日も走らないと禁断症状に襲われるぐらい、ランニングは私の生活の一部になっている。だが元はといえば、私にとってランニングはじっくり音楽を聞く手段としての意味合いが大きかった。 私は介護老人保健施設の運営に携わるかたわら、音楽ラ...

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プロフィール

tpokjazz

Author:tpokjazz
50歳から走り始め、月平均走行距離200〜300kmの早朝型フォアフット・ランナー。フル・ベスト3時間33分09秒。最近はウルトラ・マラソンにはまっています。介護施設の管理者のかたわら、音楽ライターとして『ミュージック・マガジン』と『レコード・コレクターズ』でワールド・ミュージックを中心に執筆。郷土史家みたいなこともやっています。